日本の代表的な写真賞 〜日本の写真賞をめぐる、いくつかの断片〜
日本の写真賞をめぐる、いくつかの断片
日本写真界には、表現の指標となる賞がいくつかある。
新人の登竜門とされるもの、写真集という「形」を重んじるもの、あるいは展示空間そのものを評価するもの…
少し、文福なりに整理しておこうと思う。
01. 基準となる賞
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木村伊兵衛写真賞(1975年〜)
「写真界の芥川賞」とも称される、新人の登竜門。
プロ・アマを問わず、その時代の空気感を最も敏感に拾い上げている気がする。
(北井一夫、鈴木理策、ホンマタカシ、長島有里枝、石川竜一 、濵本奏ほか)
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土門拳賞(1981年〜)
ドキュメンタリーや社会性の強い作品が評価される傾向。
新人に限らず、中堅やベテランも対象となる、重みのある賞。
(鬼海弘雄、小柴一良、須田一政、石川直樹 ほか)
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林忠彦賞
写真家・林忠彦の名を冠し、写真集という「成果物」を重視する。
木村伊兵衛賞、土門拳賞と並び、主要な賞のひとつとして数えられることが多い。
(山内道雄 、小林紀晴、笹岡啓子、中藤毅彦、有元伸也、野村恵子、初沢亜利、奥山淳志、鶴巻育子)
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日本写真協会作家賞
公益社団法人日本写真協会が主催。
新人賞とは一線を画し、長年の活動やその年における顕著な功績を残した作家に贈られる。日本の写真文化を支える太い柱のひとつ。
02. 展示と地域、それぞれの視点
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伊奈信男賞(ニコンサロン)
「展示そのもの」を評価対象にするユニークな賞。
写真の並びや空間構成など、展示体験全体が問われる。
(山村雅昭、深瀬昌久、十文字美信、長野重一、鈴木清、平敷兼七、インベカヲリ★ ほか)
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三木淳賞 (ニコンサロン)
ニコンサロンで開催された写真展の中から、新進作家に贈られる。
(石川直樹、金川晋吾、林典子、宛超凡、吉江淳、水島貴大ほか)
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東川町「写真の町」東川賞(1985年〜)
北海道東川町が主催。自治体主導としては日本初の本格的な写真賞。
国際的な視点を持ち、フェスティバルを通じた作家交流の場にもなっている。
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さがみはら写真賞
市民参加型の写真フェスティバル。写真文化の裾野を広げる役割を担っている。
03. 記憶されるべき過去の賞
今はもう存在しないが、日本の写真表現を更新し続けてきた公募展もある。
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太陽賞(平凡社)(1964〜2010年)
グラフ誌『太陽』の創刊とともに生まれた新人賞。
木村伊兵衛賞ができる以前、若手写真家にとって最大の目標とされていた。
ドキュメンタリーから実験的な表現へと移り変わる写真史を支えてきた存在。
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写真新世紀(キヤノン)(1991〜2021年)
約30年続き、デジタル時代の到来とともに数多くの作家を輩出した。
最優秀賞、優秀賞があり、この賞をきっかけに注目を集めた人気作家多数。
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ひとつぼ展/1_WALL
展示空間そのものを競う形式で、実践的なキャリアの入口だった。
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太陽賞(平凡社)(1964〜2010年)
グラフ誌『太陽』の創刊とともに生まれた新人賞。
木村伊兵衛賞ができる以前、若手写真家にとって最大の目標とされていた。
ドキュメンタリーから実験的な表現へと移り変わる写真史を支えてきた存在。
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コニカミノルタ フォト・プレミオ(1999〜2017年)
若手写真家に発表の場を提供することを目的としていた。
ギャラリーでの展示までをパッケージにした、作家育成の先駆けのような存在。
むすび
写真賞は、どの作品が残り語り継がれていくかを示す『ふるい』でもある。
新人賞や公募展は、まだ評価が定まらない表現を可視化する「未来のアーカイブ」の入口。
優劣を決めるための制度ではなく、写真表現をどのように残し、伝えていくか。
それらを知ることは、写真の現在地と未来を読み解くための、ささやかな、しかし確かな手がかりになる。