家族 FAMILY
家族 FAMILY
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深瀬昌久による写真集『家族 / FAMILY』。1991年に刊行された同名作品集をもとに、後年あらためて刊行された新装版で、深瀬の代表作群のなかでもとりわけ私的でありながら普遍的な強度をもつ一冊。
舞台となるのは、北海道・美深町にあった実家の深瀬写真館。三代にわたり営まれた写真館のスタジオで、家族を被写体に撮影されたシリーズである。
1971年、深瀬は妻・洋子を伴って十数年ぶりに故郷へ戻り、一家を写場に集めて記念写真の撮影を始める。しかしそこにあるのは整然とした家族写真だけではない。半裸の洋子が家族の中に紛れ込み、演出された違和感やユーモア、緊張が画面に差し込まれる。伝統的な家族写真の形式を借りながら、その制度や虚構性を内側から揺さぶる試みでもあった。
撮影は断続的に約20年続き、家族の成長、老い、死、そして写真館の終焉までが記録されていく。当初はパロディや遊戯性を含んでいたシリーズが、時を重ねるにつれて、一家の栄枯盛衰を否応なく映し出す記録へと変化していく過程が胸を打つ。
本書には、撮影年順に家族の肖像が収録され、深瀬自身の自伝的テキストや解説も併載。ひとつの家族史であると同時に、戦後日本の時間や写真という媒体の残酷さまでも映し出す内容となっている。
[タイトル] 家族 FAMILY by Masahisa Fukase
[出版元] MACK
[出版年月日] 2019年
[ページ数] 96頁
[大きさ] 約230*310mm / 840g
[フォーマット] ハードカバー
[言語] 英語、日本語
[タイトルよみ] カゾク
[著者・編者等] 深瀬昌久/著、トモ・コスガ/文
[印刷] -
[ISBN] 9781912339570
[状態] 中古 【4】並〜並下(小口地角にアタリ)
[付属品] なし
[掲載本] -
[関連展覧会] 2023年 深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ 東京都写真美術館(東京)
深瀬昌久(ふかせ・まさひさ)1934–2012
1934年、北海道中川郡美深町生まれ。写真家。
日本大学芸術学部写真学科を卒業後、日本デザインセンターや河出書房新社勤務を経て、1968年に独立。私生活や家族、愛猫、故郷、孤独といった極めて私的な主題を大胆に作品化し、日本写真史における“私写真”の代表的存在として高く評価されている。
1974年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の歴史的展覧会「New Japanese Photography」に参加し、国際的にその名を知られる。1970年代には妻・洋子を主題とした『洋子』、愛猫を写した『サスケ』『猫の麦わら帽子』、家族の肖像を通して血縁と時間を見つめた『家族』などを発表。1986年刊行の代表作『鴉』は、喪失感と孤独を象徴的に表現した写真集として世界的評価を受け、深瀬の名を不動のものとした。
1992年、新宿ゴールデン街で不慮の事故により脳障害を負い、その後長い療養生活を送る。2012年に逝去。没後、作品評価はさらに高まり、2017年アルル国際写真祭で大規模回顧展「The Incurable Egoist」が開催。2018年にはKYOTOGRAPHIE、2019年にはアムステルダムのFoam Fotografiemuseum、2023年には東京都写真美術館で回顧展が行われた。
写真を自己告白や演劇的表現へと拡張したその実践は、今日も世界中の写真家や研究者に大きな影響を与え続けている。
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瀬戸正人
