写真記録 農村からの証言
写真記録 農村からの証言
受取状況を読み込めませんでした
英伸三による写真集『写真記録 農村からの証言』は、高度経済成長期の日本農村を鋭く記録したドキュメンタリー写真集。1964年から全国各地の農村を取材し、農業の近代化によって急速に変貌していく農民の暮らしと、その背後に生じた矛盾や歪みを克明に写し出している。
本書に収められているのは、単なる農村風景ではない。機械化による労働環境の変化、農薬散布、公害問題、減反政策、過疎化、輸入農産物の流入、巨大化する農協組織など、1970年前後の日本社会が抱えていた農政と農業の問題そのものが主題となっている。野良仕事に従事する農民たちの姿には、近代化の恩恵だけでは語れない疲弊や緊張感が滲み出る。
英は農村の荒廃を感傷的に描くのではなく、現場に身を置きながら、変化の只中にあった農民たちの現実を冷静かつ執拗に見つめ続けた。そこには、戦後日本の経済成長が切り捨てていったものへの強い問題意識が通底している。
1971年に朝日新聞社より刊行。日本ジャーナリスト会議奨励賞受賞作。現在では失われつつある日本農村の姿を記録した一冊。
[タイトル] 写真記録 農村からの証言 Testimony by the Farmers
[出版元] 朝日新聞社
[出版年月日] 1971年7月20日
[ページ数] 248頁
[大きさ] 約182*259*15mmm / 590g
[フォーマット] ソフトカバー
[言語] 日本語
[タイトルよみ] シャシンキロク ノウソンカラノショウゲン
[著者・編者等] 英伸三/著、美土路達雄/文
[印刷] 共同印刷/印刷・製本
[ISBN] 0036253895-0042
[状態] 中古 【4】並~並下(カバー:縮み・少ヤブレ、本体:ヤケ、背角イタミ、三方少シミ)
[付属品] カバー、帯
[掲載本] The Japanese Photobook 1912–1990 収録
[関連展覧会] 1969年 「農村報告」
英伸三(はなぶさ・しんぞう)1936-
1936年、千葉県生まれ。写真家。
東京綜合写真専門学校卒業。農村問題や地方社会の変化を通して、高度経済成長以降の日本社会を記録し続けたドキュメンタリー写真家として知られる。
1965年、個展「盲人―その閉ざされた社会」および『アサヒカメラ』掲載作「農村電子工業」により日本写真批評家協会新人賞を受賞。1971年には写真集『農村からの証言』で日本ジャーナリスト会議奨励賞を受賞した。1982年、「桑原史成・英伸三 ドキュメント二人展」で第7回伊奈信男賞、1983年には写真絵本『みず』でボローニャ国際図書展グラフィック賞を受賞。
1992年以降は、中国・上海および江南地方の水郷古鎮を継続的に取材。「改革・開放」政策によって急速に変化していく街並みと、人々の暮らしの記憶を記録している。
主な写真集に『農村からの証言』(1971)、『日本の農村に何が起こったか』(1989)、『一所懸命の時代』(1990)、『しゃんはい上海ほうじょうばし放生橋ものがたり故事』(2001)、『しゃんはいのそらのした上海天空下』(2006)など。作品は東京都写真美術館、川崎市市民ミュージアム、清里フォトアートミュージアムほかに収蔵。
日本写真家協会名誉会員。
< Related Figures >
