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影山光洋 / KAGEYAMA Koyo

芋っ子ヨッチャンの一生(フォト・ミュゼ)

芋っ子ヨッチャンの一生(フォト・ミュゼ)

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影山光洋による写真集『芋っ子ヨッチャンの一生』。戦後日本を代表する報道写真家として激動の時代を記録した影山が、ひとりの父としてわが子に向けた眼差しをまとめた、私写真。

1946年、敗戦直後の混乱と貧しさのなかに生まれた三男・賀彦(よっちゃん)は、「ぼくは芋っ子だから」と言って、さつま芋を嬉しそうに食べる子どもだった。本書は、その誕生から1951年、結核性脳膜炎により5歳で亡くなるまでの短い生涯を、父親が日々撮り続けた写真によって綴っている。

食卓を囲む家族、遊びに夢中になる姿、病床での時間、そして別れへと向かう日々。そこにあるのは特別な演出ではなく、戦後の庶民生活の現実と、子を見つめる父の深い愛情である。報道写真家として「記録」に徹した影山の姿勢は、この私的なアルバムにおいても揺るがず、かえって強い普遍性を獲得している。

しかし本書が胸を打つのは、よっちゃん一人の物語にとどまらないからだ。敗戦後の食糧難、病、貧困のなかで、十分な医療も福祉もなく幼くして命を落とした子どもたちは少なくなかった。あの時代、日本中にたくさんの「ヨッチャン」がいた。

本書は、名もなく消えた無数の幼い命への鎮魂であると同時に、戦争の爪痕が戦後の日常になお深く残っていたことを伝える記録でもある。


[タイトル] 芋っ子ヨッチャンの一生(フォト・ミュゼ)
[出版元] 新潮社
[出版年月日] 1995年4月25日
[ページ数] 131頁
[大きさ] 
[フォーマット] ソフトカバー
[言語] 日本語
[タイトルよみ] イモッコヨッチャンノイッショウ (フォト・ミュゼ)
[著者・編者等] 影山光洋/著、影山智洋/協力、日下潤一/デザイン、吉田裕美/デザイン
[印刷] 大日本印刷/印刷、加藤製本/製本
[ISBN] 4106024098
[状態] 中古 【5】並(カバー・帯:背少ヤケ、本体:見返し僅かにシミ)
[付属品] 帯
[掲載本] ‐
[関連展覧会] ‐


影山光洋(かげやま・こうよう)1907-1981

1907年、静岡県浜松市生まれ。本名・影山正雄。
1981年没。昭和期を代表する報道写真家のひとり。

浜松商業卒業後、写真修整業の画光舎に勤めながら写真技術を学ぶ。1927年、東京高等工芸学校(現・千葉大学工学部)写真科に一期生として入学。卒業制作『東京百景』が高く評価され、1930年に朝日新聞社写真部へ入社。

在職中は、1934年の東北大凶作、1936年の二・二六事件、日中戦争下の中国戦線、1942年の山下・パーシバル会談など、激動の時代を最前線で撮影。歴史的瞬間を的確に捉える報道姿勢で知られた。写真の記録性を徹底的に追求したことから「記録の鬼」とも称された。

戦後は朝日新聞社を退社し、一時『函館新聞』写真部長を務めたのちフリーランスとして独立。社会の変化や庶民の生活、家族の姿へと主題を広げ、愛児の短い生涯を追った『芋っ子ヨッチャンの一生』、混血孤児施設エリザベス・サンダース・ホームを長年記録した仕事など、人間への深いまなざしを示した。

また、母親を40年にわたり撮影した連作「おふくろ」など、私的な題材にも記録写真の精神を貫いた。戦前・戦中・戦後を通じて、日本社会の現実を撮り続けた写真家として高く評価されている。

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