ある山村・農民
ある山村・農民
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日本の写真家・南良和による写真集『ある山村・農民 / Peasants in a Rural Village』。1967年、秩父の山村の現実を捉えた作品「ある山村の生活―秩父―」で第4回太陽賞を受賞した南が、16年にわたる取材と撮影の成果をまとめた代表作。
南は被写体となる村へ、いきなりカメラを持ち込むことはしなかった。何度も足を運び、親類や近隣の人々と親しくなり、農作業を手伝い、ときには便利屋のような役目まで引き受けながら、家族全体との信頼関係を築いていったという。人間的な結びつきが熟すまで、むやみにシャッターを切らなかったその姿勢が、本書に収められた写真の深い親密さと説得力を支えている。
収録されるテーマは、「嫁と姑」「米作り」「労働・子供・養蚕」「若者・嫁とり式」など。そこには、戦後の近代化の波が届く以前の、日本の山村共同体に息づいていた暮らしの細部が克明に記録されている。家制度や労働慣習、世代間の関係、祝祭や婚礼のしきたりまで、すでに失われつつある農村文化の実像を伝える貴重な記録でもある。
北井一夫が後に『村へ』を発表する以前、同時代の日本において村落社会をここまで内側から見つめた写真集は稀有だった。渋谷定輔、丸岡秀子による解題、粟津潔による構成も加わり、写真表現と民俗記録、社会的視点が交差する一冊。
[タイトル] ある山村・農民 Peasants in a Rural Village
嫁と姑・米作り・労働・子供・養蚕・若者・嫁とり式・うつり変わり・焼畑と焼穂・春・野辺おくり・祭礼
[出版元] 新泉社
[出版年月日] 1972年5月15日(初版)
[ページ数] 頁付きなし
[大きさ] 約218*250*22mm /
[フォーマット] ハード
[言語]
[タイトルよみ]
[著者・編者等] 南良和/著、渋谷定輔/解題、丸岡秀子/解題、栗津潔/構成
[印刷] 城南グラビヤ/印刷、今泉誠文社/製本
[ISBN] -
[状態] 中古 【5】並(カバー:天少ヤブレ・少ヤケ、裏シミ、本文:扉裏頁にシミ)
[付属品] -
[掲載本] The Japanese Photobook 1912–1990 収録 (P.416)
[関連展覧会] 1968年 「ある山村」
南良和(みなみ・よしかず)1935年10月8日-
1935年、埼玉県秩父市生まれ。写真家。
東京綜合写真専門学校卒業。幼少期に喘息を患い、父から渡されたカメラをきっかけに中学生の頃から写真を始める。1950年代半ばより、故郷・秩父の子どもたち、若者、山村風景、祭礼、農村の暮らしなどを継続して撮影した。
東京で写真を学んだのち秩父に戻り、地域に根ざしながら制作を続ける。土地に残る慣習や信仰、家族制度、労働のあり方、そして時代の推移とともに変化していく農山村の姿を、長期的な視点で丹念に記録してきた。外部の取材者としてではなく、地域社会の内側に身を置く視点から撮られた作品群は、日本の戦後ドキュメンタリー写真の重要な成果として評価されている。
1967年、秩父の農村を主題とした「ある山村の生活―秩父―」で第4回太陽賞を受賞。以後、第28回日本写真協会年度賞、第13回土門拳賞、第7回農業ジャーナリスト賞、第21回伊奈信男賞、日本写真文化協会特別功労賞など受賞多数。日本写真家協会会員、日本写真協会会員。
主な写真集に『ある山村・農民』(1972年)、『秩父』(1978年)、『日本・農民』(1979年)、『秩父―峠・村・家』(1984年)、『農を歩く』(1992年)、『寳登山神社―長瀞』(2013年)などがある。秩父という一地域を通して、日本の民俗と生活文化の変遷を記録し続けた写真家として知られる。
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