父の日記
父の日記
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日本の写真家・太田順一による作品集『父の日記』。作者の父が、妻に先立たれ独居生活となってから87歳で亡くなるまで、約20年にわたり毎日書き続けた日記帳をもとに制作された作品。几帳面な性格そのままに、小さな文字でびっしりと綴られた日々の記録には、食事やテレビの感想といった平凡な出来事が並ぶ一方、老いへの不安や、誰にも迷惑をかけず生きようとする切実な思いが滲み出ている。
やがて父は認知症を患い、老人施設へ入所する。その頃を境に、整然としていた日記は徐々に乱れ、文字は崩れ、同じ言葉が執拗に繰り返され、ページには筆圧の痕跡や空白が現れる。太田はその変化していく日記のページを写真として複写し、一人の人間の記憶と意識が揺らぎ、やがて失われていく過程を静かに見つめた。
本書は、単なる記録写真でもドキュメントでもなく、文字・身体・時間・死といった根源的な主題を写真によって問い直した作品集である。読むことと見ることの境界を揺さぶりながら、家族の私的な記憶を普遍的な老いの物語へと昇華している。深い共感と高い評価を集め、伊奈信男賞受賞作としても知られる。
人はいかに老い、何を失い、それでもなお生きた痕跡を残すのか――その静かな問いが、ページをめくるたびに胸へと迫る一冊。
●第34回(2009年) 伊奈信男賞受賞作品
[タイトル] 父の日記
[出版元] ブレーンセンター
[出版年月日] 2010年3月21日(初版)
[ページ数] 117頁
[大きさ] 約216*200*15mm / 470g
[フォーマット] ソフトカバー
[言語] 日本語
[タイトルよみ] チチノニッキ
[著者・編者等] 太田順一/著、鈴木一誌/造本
[印刷] フクイン/印刷・製本
[ISBN] 9784833905442
[状態] 中古 【4】並〜並下(本体:地シミ、天少シミ
[付属品] 帯、献呈紙(著者印あり)
[掲載本] -
[関連展覧会] 2009年 銀座ニコンサロン(東京)
太田順一(おおた・じゅんいち)1950-
1950年、奈良県生まれ。写真家。
1971年に早稲田大学政治経済学部を中退し、1978年に大阪写真専門学校を卒業。夕刊紙カメラマンを経て、1982年よりフリーランスの写真家として活動を開始した。社会や地域に根ざしたテーマを継続的に取材し、日本のドキュメンタリー写真界を代表する作家として高い評価を受ける。
写真の会賞、日本写真協会賞作家賞などを受賞。
主な写真集に女たちの猪飼野(晶文社)、父の日記(ブレーンセンター)、遺された家―家族の記憶(海風社)、ひがた記(海風社)など。著書にぼくは写真家になる!(岩波書店)、写真家 井上青龍の時代(ブレーンセンター)がある。
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