HOME
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坂口トモユキによる写真集。東京郊外、多摩丘陵に広がる深夜の住宅街をデジタルカメラで撮影したシリーズ〈HOME〉を収録する。
本作は、暗所での高感度撮影が可能になりはじめたデジタル一眼レフカメラ普及初期に制作された。坂口は、深夜の住宅地を自転車で巡りながら、街灯や住宅の明かりに照らされた家屋、道路、ガレージ、電柱、植栽などを長時間露光で撮影。Google MapにGPSログを表示しながら、多摩ニュータウン周辺を網羅するように歩き、撮影を重ねていった。
写されているのは、特別な建築や名所ではなく、日本各地に見られるような、ごく平均的な住宅街である。しかし、夜の人工照明と長時間露光によって細部まで浮かび上がった風景は、日常の場所でありながら、どこか見知らぬ世界のようにも見えてくる。人の気配はほとんどなく、そこに住む人々の生活だけが、建物や明かり、路上の配置を通して静かに滲み出ている。
坂口は本作について、自分自身が属する社会システムを内側から観察するドキュメンタリーであると語っている。住宅街という身近な場所を、初めて地球にやってきた異星人が見るように捉えること。ありふれた暮らしの場を少し離れた視点から見つめ直すことで、私たちが日々受け入れている風景の奇妙さやおかしみが浮かび上がる。
2006年にガーディアン・ガーデンで個展「HOME」を開催し、翌2007年に本書を刊行。米国『Aperture』誌の2007 Portfolio Award Runner-upに選出され、2008年には写真の会賞を受賞した。また、マーティン・パーによる2000年代の写真集セレクションにも選ばれ、『The Photobook: A History Volume III』(Parr & Badger)にも掲載されている。2000年代以降のデジタル写真と都市郊外の風景を考えるうえでも興味深い一冊。
[タイトル] HOME
[出版元] 蒼穹舎
[出版年月日] 2007年10月10日(初版)
[ページ数] 84頁
[大きさ] 約312*226*14mm / 795g
[フォーマット] ハードカバー
[言語] 日本語
[タイトルよみ] ホーム
[著者・編者等] 坂口トモユキ/著、大田道貴/編集、原耕一/装幀
[印刷] 大洋印刷/印刷・製本
[ISBN] 9784904120002
[状態] 中古【6】並上~並(表紙僅かにスレ、裏表紙地に僅かに製本糊の跡)
[付属品] なし
[掲載本] Parr & Badger, The Photobook: A History Volume III
[関連展覧会] 坂口トモユキ写真展「HOME」(ガーディアン・ガーデン、2006)
坂口トモユキ(さかぐちともゆき)1969-
香川県生まれ。写真家。
岡山大学理学部卒業。東京大学大学院で地球惑星物理学を学ぶ。都市や住宅地、物流施設、車、看板など、現代社会の中にある人工的な風景を対象に、長時間露光やデジタル処理を用いた写真作品を制作している。
2006年にガーディアン・ガーデンで「HOME」を発表し、2007年に同名写真集を蒼穹舎より刊行。その後も『痛車Z』『GOING HOME』などを刊行し、住宅街や物流、車文化など、現代の生活環境に現れる独特の風景を撮影し続けている。
主な作品に『HOME』『痛車Z』『GOING HOME』『Midnight Logistics』など。
主な受賞歴にAperture Portfolio Award Runner-up(2007)、写真の会賞(2008)。
主な収蔵先 -
< Related Figures >
中里和人、福居伸宏、佐藤信太郎、Todd Hido
