トオイと正人
トオイと正人
受取状況を読み込めませんでした
瀬戸正人による自伝的エッセイ。タイで「トオイ」と呼ばれていた少年が、日本へ渡り「正人」として生きるようになった自身の記憶と、家族四世代の歴史を、写真と文章によってたどった一冊。
瀬戸は、日本人の父とベトナム系タイ人の母のあいだにタイで生まれ、8歳で父の故郷である福島県へ移住した。タイでの幼少期、日本での生活、そして成長して写真家となった後に再び訪れたタイやベトナム。異なる土地を行き来しながら、日本人としての「正人」と、かつてタイで呼ばれていた「トオイ」という二つの名前を手がかりに、自らのルーツと家族の記憶をたどっていく。
物語の背景には、第二次世界大戦後の東南アジアに残留した父の人生がある。敗戦後も日本へ復員せず、ベトナム人社会に身を置き、やがてタイで写真館を営んだ父。その後、一家は日本へ渡り、瀬戸は福島の土地で成長していく。個人と家族の記憶を通して、戦争、移住、国境、民族といった大きな歴史が静かに浮かび上がる。
本書は『アサヒグラフ』に1997年1月17日号から12月5日号まで連載された「家族」に大幅加筆し、改題して刊行されたもの。写真家として被写体との距離を見つめ続けてきた瀬戸が、その視線を自身と家族へと向けた作品である。写真と文章を往復しながら、自分がどこから来たのか、そして何者として生きているのかを問い続ける、家族の肖像であり、自己のルーツをめぐる記録。
装丁は吉田篤弘。写真は瀬戸正人。
1999年、本作で第12回新潮学芸賞を受賞。
[タイトル] トオイと正人
[出版元] 朝日新聞社
[出版年月日] 1998年9月5日(第1刷)
[ページ数] 200頁
[大きさ] 約140*195*20mm / 325g
[フォーマット] ハードカバー
[言語] 日本語
[タイトルよみ] トオイトマサト
[著者・編者等] 瀬戸正人/著・写真、吉田篤弘/装丁
[印刷] 図書印刷/印刷
[ISBN] 9784022572653
[状態] 中古【5】並(帯:折れ跡、カバー薄ヤケ、本体:三方経年ヤケ)
[付属品] 帯
[掲載本] -
[関連展覧会] -
瀬戸正人(せとまさと)1953-
タイ・ウドーンタニ生まれ。写真家。
1961年に日本へ移住。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)を卒業後、深瀬昌久の助手を経て、1981年にフリーランスの写真家として独立。1987年、山内道雄らと東京・新宿にギャラリーPLACE Mを開設した。
東京のアパートに暮らす人々を撮影した「Living Room, Tokyo」、東南アジアの都市や人々を見つめた「バンコク/ハノイ」、台湾の檳榔売りの女性たちを撮影した「binran」など、自身の出自とも関わるアジアと日本、都市、人間の生活を主題に制作を続けている。
1989年、写真集『バンコク/ハノイ』で日本写真協会新人賞を受賞。1996年、『Silent Mode』『Living Room 1989-1994』を中心とする作品活動で第21回木村伊兵衛写真賞を受賞。写真作品だけでなく、自身や家族の記憶をたどる文章作品も発表し、1998年に自伝的エッセイ『トオイと正人』を朝日新聞社より刊行した。
主な作品に『バンコク/ハノイ』『Silent Mode』『Living Room, Tokyo』『トオイと正人』『picnic』『binran』『Cesium-137Cs-』『深瀬昌久伝』など。
主な受賞歴に日本写真協会新人賞、東川賞新人作家賞、写真の会賞、第21回木村伊兵衛写真賞、新潮学芸賞、日本写真協会年度賞、第37回写真の町東川賞国内作家賞など。
主な収蔵先に東京都写真美術館、川崎市市民ミュージアム、J・ポール・ゲティ美術館、福島県立美術館など。
< Related Figures >
深瀬昌久、山内道雄、森山大道、PLACE M

